少年愛之美学

守備範囲がやや広めの腐女子による鑑賞と思索。

「1999年の夏休み」、と少女が少年役を担わなければならなかった理由について

半ズボンを履き、「僕」と自称し、詩的な台詞を繰り出すのは、少年を装った少女たちである。 「1999年の夏休み」、萩尾望都の漫画『トーマの心臓』のストーリーを下敷きに、舞台をドイツギムナジウムから日本の寄宿学校に移し、ホラーファンタジーの味を加え…

武田肇『少年聖歌隊』、と共に児童ポルノを考えてみた

詩人らしい。この方の名を見付けた当時は行動範囲の図書館を渡り歩いて何とか『少年聖歌隊』にアクセスするも、入手には至らず、他の著書もほとんどお目にかかれていません。ことごとく絶版で中古も高い。ようやく18を過ぎたので落ち着いたときに国会図書館…

手塚治虫『MW』、と罪に勝るアガペー、それから少し人文学分野の意義について

手塚治虫の作品『MW』について記事です。手塚氏には珍しく同性愛もので軽くホモセクシャルの濡れ場もあり少年愛的場面もあり。『火の鳥』『ブラック・ジャック』『鉄腕アトム』『ブッダ』などの名作を生み出された漫画の神様の隠れた? 名作。 あらすじとし…

松田龍平、という彼岸と詩情の役者について

数年前朝ドラ「あまちゃん」のミズタク役が人気が出たり三浦しをんさんの大ヒット小説『船を編む』の実写化で主演を務めたりした俳優松田龍平さんについての記事です。BLの世界に入りたての頃、そしてまだBLレーベルのコミックやアニメといったサブカルチャ…

百合BL問題、とA感覚論で見るジェンダーについて

昨日Twitterで大炎上した「百合BL問題」について、私なりの解釈です。一番賛成なのは「どうでもいい」という意見ですが、何事も諍いを無くすには誰もが納得のいく説明が必要ですから、優しい世界を作りたいeikouは何とか穏便に説明できないかと試行錯誤して…

ボーイズクワイア、少年という概念のロマンとその象徴ついて

『トーマの心臓』を筆頭にギムナジウムもの・寄宿舎ものなどと呼ばれるヨーロッパの全寮制男子校を舞台とした創作物に欠かせない要素の一つとしてミサがあり、お話の舞台となるヨーロッパの寄宿学校というのはたいていミッションスクールなので朝の礼拝や追…

『霊応ゲーム』、ホラーと美少年の親和性について

クレイジーサイコホモ文学として一部界隈では定評のある、萩尾望都や竹宮恵子作品に代表されるギムナジウムもの・寄宿舎ものが好きな方には最早マストの英国パブリックスクールを舞台にしたホラーサスペンス小説『霊応ゲーム』、全寮制男子校もので作者は本…

KAZAKY、と舞踏から見るシャーマニズム×エロスについて

肉体美、ハイヒール男子、ゲイライク、こういったワードにピンと来た方にはウクライナの男性ダンスユニット"KAZAKY"をおすすめしたい。筋肉隆々のイケメン達が14cmピンヒールを履き中性的衣装と振付でアーティスティックに踊る、バレエ仕込みで完成度が高く…

「ユーリ!!! on ICE」、とアイデンティティの闘争について〈YOI感想後編〉

アニメユーリオンアイスの感想後編になります。今回はどちらかというとキャラクターの人間性に踏み込んだ妄想じみた考察を、ことさら筋道を立てずに書き連ねていきます。前編はこちら↓ ehirocyanos.hatenablog.com 前回、フィギュアスケートの美を競う競技と…

岩波文庫、でボーイズラブと美少年を発掘する

「図書館で読めるホモ100選」とかいうものが一時期話題になりましたけれども、中1の夏に始まる私の腐女子歴の中に岩波文庫期というものがありました。時期的には中1の終わりから中2くらいでしょうかね、文字通り岩波文庫の棚を漁ってそれらしいものを探し…

「ユーリ!!! on ICE」、男性美消費ルネサンスとゲイ承認について〈YOI感想前編〉

ジェンダー論とかホモアニメとかそんなんじゃねえもっと深い愛を描いたうんたら、など様々な議論が成されているアニメですが、eikouはポジティブ腐女子なのでたいていの話には「なるほど確かに。」となってしまうタイプですけれども、個人的にこのアニメの客…

平沢進、で音楽のエロスと起源に想いを馳せる

今週のお題「私の沼」を使わせていただきます。今回の記事はいつにも勝り個人的な感想です。 こんなブログを書いている人間なので人生最大の沼は無論「ホモ」なんですが、最近急速に沈められている沼が平沢進なんですよね。平沢進さんは1970年代から現在まで…

太宰治「駈込み訴え」、とイエス×ユダの愛憎入り乱れる信仰系ホモについて

太宰治の短編小説「駈込み訴え」についての記事です。 太宰の小説は饒舌体などと言われますけれどもこの小説はある人物による語りの形式をとった小説で主人公については最後に種明かしとなるんですが、解る人には序盤で解りますし解らない人には聞いても解ら…

吉田秋生『BANANA FISH』、「完全少年への性欲」とブロマンスについて

『海街diary』等の吉田秋生先生による長編コミック、ベトナム戦争で使用された化学兵器「バナナフィッシュ」を巡って始まりマフィアや軍、華僑財閥なども巻き込んで壮大に展開するハードボイルドアクションを軸に、NYスラムの最強天才美少年アッシュ・リンク…

世阿弥萌え、足利義満×世阿弥と男色から生まれる美意識について

今回は能の話です。伝統芸能の能狂言の能で合ってます。能とは田楽など民間芸能が発展し室町時代に観阿弥・世阿弥父子が大成された芸能と言われていますが、eikouの中では能に対する萌えというのはまずこの世阿弥さんという方に起因します。 世阿弥さんは日…

ONE『モブサイコ100』、と絶対少年に跪く凡人の生き方と自己実現について

Web漫画の神と称されるONE先生による超能力アクション漫画『モブサイコ100』について、eikouの視点からひたすらプレゼンさせていただく回です。『モブサイコ100』はeikouが好きな漫画作品の中でもベストオブ健全とも言えるほど遠慮なく万人にお勧めできる健…

BL界の鬼才はらだ、とBLの社会的意義について

BL界の鬼才と謳われていらっしゃる現在御活躍中の漫画家さん、はらださんですがまさにその通りだとeikouは思います。今度新刊が出ますね。楽しみです。初めてはらださんの作品をお読みしたのが友人に借りた『やたもも』……かと思っていたのですが実はその前に…

真空ホロウ「アナフィラキシーショック」、と嫉妬・劣等感のエロスについて(神様系BLの話)

※ 製作者様の意図とは一切関係がございません。もとはスリーピースバンドとして始動し、ギタボの松本明人さんのソロ活動を経て現在はツーピースになったとか、ちょっと現状のよく解らないロックバンド真空ホロウですが、青春のビタースウィートとか窓越しの…

宗教萌え、神と真理への圧倒的受動性について

はじめに説明させていただきますと今日は、平たく言って「宗教はホモ」「神と人間の関係は萌え」という話を致します。先にお断りしておきますが諸々の宗教を冒涜する意志はございません。宗教というものは多分にA感覚的性質を持つ現象であると思うのですが…

「桜の樹の下には」、と文友たちのプラットニックsexについて

「檸檬」等で有名な文豪梶井基次郎の代表作の一つ「桜の樹の下には」、文庫本4ページほどに収まってしまう超短編ですが読後の満足感は分量以上のものがあります。この作品におけるeikouの注目ポイントは以下3点。 ①映像美 ②仏教的死生観 ③聴き手は誰か←重…

鳩山郁子、と架空生物としての少年について

鳩山郁子さんは現在御活躍中の漫画家さんで、雑誌で言うと『ガロ』『アックス』系統、耽美的作風を特徴とされており、銅版画由来の緻密なイラストレーションと難解でシュルレアリスティックな鉱物的文体による芸術性の高い漫画作品を生み出していらっしゃい…

はじめに、A感覚について

初めまして、eikouと申します。①ブログの目的 「A感覚的事象の美とエロスと存在意義について、抽象的考察や個別具体的かつ多角的観察を体系化し共有する。」②平たく申し上げますと、男子とホモセクシャルを嗜好する腐女子eikouによる萌え語りブログです。③…